7.助け合う、生きていけば何とかなる(吉田 健秀)―あの震災があったことで、何か人生観は変わりましたか?吉田:変わりますよ、大いに。はい。いい加減になりました。ちっちゃいことを気にすんな。みたいな。何をどうあがいても、抗えないものが世の中にあるんだぞ、っていうのと、あと、もうひとつ。これくらいの津波が来てもなんとかやっていけるんだな、なんとかなるんだな、と、こっちの方が強い。今回のコロナもそうだけど、医療技術も凄いですし、それこそ、これが、100年前の医療技術だったらだったらこんなに生きていないと思いますし、多少、経済状況が悪くなっても、あの津波でも乗り切ったんだから、何とかなるんじゃないかなって。あと、今は「さんりくみらい」って仲間もいるし。助け合う、生きていけば何とかなる。人生...2021.08.06 23:42インタビュー東北プロボノプロジェクト気仙沼カネヒデ吉田商店
6.震災で目の当たりにした光景(吉田 健秀)―震災が仕事に与えた影響はどうでしたか?吉田:気持ちでは仕事出来ると思っていたのですけれど、1年間、仕事は出来なかったです。工場は流されてしまいましたから。まず、街をきれいにするところから、1年かかりました。その間に、お客さんは、原料の購入先を変えていたり、商売を辞めてしまっていたり。全然お客さんがいなくなってしまっていました。「再開すれば、時間が経てば、元の通りに仕事ができる。」と思っていたけれど、現実は、そうではなかったってことです。年々サメ肉の需要は減っていくし、震災が仕事に与える影響はすごくありましたよ。―吉田さんは、震災の時はどこにおられたのですか?吉田:震災の時は、従業員さん2人に作業してもらっていて、自分は工場から3k...2021.07.31 10:55インタビュー東北プロボノプロジェクト気仙沼カネヒデ吉田商店
5.たけちゃんの鮮魚セット(吉田 健秀)―この間、吉田さんの目利きされた「武ちゃんの鮮魚セット」を買って実家に送ったんですが、すごい量の魚が入っていて、母が驚いていました。吉田:4kgくらいある、大きな真ダラとか入れちゃいました。助宗ダラも2本くらい、入れたと思います。1匹オスを入れています。白子を食べてもらいたかったんです。メスは、たらこで、辛子明太子とか作れちゃいますよ。―母が「是非、魚の名前を知りたい。」って言っていました。多分、お客さんで、魚の名前が分からない方もいるかもしれません。吉田:そうだよね~(笑)それ、気を付けますね。―「魚が来た。魚~で終わってしまって」名前が分からないと「この魚どうやって、食べようか?」ってなった時に、ネットで調べようがなくなってしま...2021.07.25 05:35インタビュー東北プロボノプロジェクト気仙沼カネヒデ吉田商店商品紹介
4.「もうかの星」とメカジキのハーモニカ(吉田 健秀)―「もうかの星」というのを気仙沼の市場で見たことがあるのですが。吉田:それは、モウカザメの心臓ですね。ー他のサメの心臓は食べないのですか?吉田:モウカノザメの心臓以外は食べないです。そうですね。アオザメの心臓は小さくて硬いし、ヨシキリザメは、小型のサメで大量に獲れるので、最低ロットが160kgなんですけど、160kg買えない業者は買えない。っていうサメなんです。大体1匹20kgくらいしかなくて、内臓と頭を取って売るサメです。「もうかの星」は今、首都圏で人気なんです。レバ刺しに近い食感。生レバーを食べるのが禁止になってしまい、それに替わる食材として脚光を浴びたんです。―気仙沼では、もうかの星は、どのように食べているのですか?吉田:気仙...2021.07.16 22:07気仙沼東北プロボノプロジェクトインタビューカネヒデ吉田商店サメ
3.サメをめぐる食生活の変化(吉田 健秀)―気仙沼には、サメを扱う業者さんは沢山あるのですか?吉田:10社くらいですね。少ないと言えば少ないですね。―環境の変化で、サメの漁獲量は変わってきましたか?吉田:環境の変化だけでなく、サメの漁船が減ってきましたね。高齢化などもありますが、大変な仕事です。獲る時点で、サメは生きているわけですから。―カネヒデ商店さんは、お父さんの代から、お商売をされているのですか?吉田:祖父の代に創業して、ずっとサメを扱っていますが、私の代でちょっと仕事の形態を変えています。―どうように形態を変えたのでしょうか?吉田:「かまぼこ」最近食べていますか?―「笹かまぼこ」はたまに食べますけど、普通の板に乗っているかまぼこは、お正月くらいしか食べなですね。吉田...2021.07.10 03:24気仙沼東北プロボノプロジェクトインタビューカネヒデ吉田商店サメ
2.サメの漁について(吉田 健秀)―サメは遠洋漁業で獲れるんですか?吉田:いえ、サメは近海ですね。日帰りで帰ってきます。すぐ目の前でも獲れます。気仙沼には、近海マグロはえなわ船っていう、マグロを獲るための船があって、この漁は結構歴史があるんですけど、マグロだけではなくて、サメが一緒に獲れてしまうんです。サメはマグロが大好きで追いかけて付いてきちゃうから。はえなわ船っていうのは、沢山つり針を垂らして漁をする船なのですが、かかっていたのが、全部サメって時もあったようです。近海マグロはえなわ船って、1か月くらい操業するのですが、気仙沼から出航して八丈島とか結構遠くまで行って漁をするんです。―エリアが広いんですね。「ふかひれ」というのは、どのサメの「ひれ」でもいいのでしょう...2021.06.26 07:19東北プロボノプロジェクト気仙沼インタビューカネヒデ吉田商店サメ
1.サメとはんぺんと気仙沼と吉田商店(吉田 健秀)―カネヒデ吉田商店さんは、サメを扱ってらっしゃるんですよね。お仕事の内容を教えてください。吉田:震災前は100%サメのみの仕入れでした。サメの仕事というのは、サメを仕入れて、フカヒレの製造と、サメを3枚におろして、ということをしています。サメ肉って、すり身にして、「はんぺん」の原料になるんです。―はんぺんって、サメ肉からしか作られないんですか?吉田:いい「はんぺん」は、サメ肉だけで作られています。デパートの催事などで販売されていたり、築地の場外で売られている1個400円位のちょっと高めの「はんぺん」は、サメ肉で出来ています。街中の小さな蒲鉾屋さんでも、自分のところでサメ肉を使って作っているところもあります。―「はんぺん」が、サメ肉で...2021.06.19 02:03インタビュー気仙沼東北プロボノプロジェクトカネヒデ吉田商店食育サメ