16. 気仙沼での新しい商品開発の試み(藤田 純一)

―宮城ではホヤも有名ですよね。


藤田:ホヤは、食べ物の中でも特殊だって言われていて、五味(甘み、苦み、酸味、塩味、うま味)って言われる、色んな味が、全部、ホヤに入っているんですよ。

食育にも凄く良かったりします。


気仙沼で、今、ホイスターソースっていう、

牡蠣を使ったオイスターソースのホヤバージョンを作っているんです。

私もその研究会で一緒に勉強して、作っているんですけど。

ホヤは色んな成分が含まれているから、味に深みがある、ということで、

キャッチフレーズは、「ひとさじで、普段の料理をワンランクアップ」という感じです。


―ホイスターソースで味が深まるんですね。


藤田:某醤油メーカーのようなところでは、

料理のタレみたいな商品の隠し味を常に探しているので、そこにホイスターソースを使って貰ったりもしました。


―ホイスターソースは最近できたのですか?


藤田:3、4年前ぐらいかな?

kesemo※という会社で作っているんです。

私は、最初は、ワカメドレッシングの製造のメンバーとして参加しました。

kesemoでは、フカヒレを使った化粧品の開発なんかもしていますよ。

ケセモマリナスという会社名で、ブランド化しています。


※kesemo | 「気仙沼から、もっと。」


―フカヒレの化粧品なんて、贅沢です。色々な試みがあって面白いですね。


藤田:それもやっぱり、気仙沼の市長の思いから、なんです。

「気仙沼には水産物はあるけど、食品はもう当たり前に出ているよね。

それに何か高付加価値を付けたり、別な使い方ができないのか?」

という感じで、気仙沼の事業者が25社ぐらい集まって色んなことやっているんです。

それが「kesemo」です。

その取り組みの中で出来たのが、

ドレッシング中にワカメを入れた、「ワカメドレッシング」、

ホヤを使った「ホイスターソース」と「ホヤを使った醤油」。

フカヒレを使ったコラーゲンの化粧品と、

「イサダ」というオキアミエビの小さいやつを使ったサプリメント、

あとは今、「ホヤの殻を使った商品」なんかを作ろうとしています。


―確かに、ホヤの殻って廃棄物ですもんね。


藤田:はい、ゴミなんです。

ホヤの殻から、ナノセルロースっていうセルロースを作れるよう、大学と共同研究でやっていまして。

セルロースを繊維化して、商品を作ろうとしています。


―凄い。色んなことしていますね。無駄がなくていいですね。


藤田:そうですね、色んな業者と連携を取りながら、進めています。


―藤田さんが作っているワカメでも、もっといろんなものが作っていけそうですね。


藤田:ワカメの佃煮は食べたんですけど、旨かったですね。

kesemoで試作して貰ったのは、ワカメやひじき、昆布を粉状にして、三色そうめんやパスタにしたり、お菓子屋さんに、ワカメをお菓子の生地に入れてもらって、ロールケーキにしたりしました。


―ワカメのロールケーキ。面白い。


藤田:ワカメを生地に練り込んでいますけど、ワカメの味がするというよりは、風味や色味がワカメ、という感じですね。


―加工食品で幅が広がりそうですね。面白いですね。

ワカメで色々なレシピを考えるなら、ワカメのピザなんかもおいしそうですよね。

シラスとチーズと合わせて海鮮ピザなんて、どうでしょうか。


藤田:そういう、レシピ作りもしたいですよね。


―お料理に興味がある方に、アイディアコンテストみたいなのもいいかもしれないですね。ウェブで集まって、「こんなのいいね。」みたいな会話ができたら面白そうですね。

「気仙沼ワカメ会議」とか、「キッズワカメちゃん集合」とか。

「原料は無償提供します。送って、そのワカメを使って、みんなで一緒に料理しましょう。」みたいな感じですかね。

今までは、対面でやっていたけど、コロナで会えないから、Zoomで料理の仕方をみんなに教えるようなものをやっていますよね。


藤田:教え合うのか、みんながそれぞれ、黙々と作って、一緒にいただきます。するとか。

逆に、みんなに違うものを作って貰って、最後に見せ合うとか、作る工程だけ、データベースで貰って、最後に出来上がりの写真を撮って。最後にみんなで投票するみたいなのもいいですね。


「ワカメ会議」、面白いですね。

ワカメシーズン開幕イベント、今度1回やってみたいです。

さんりくみらいの想い

私たち株式会社さんりくみらいは三陸・気仙沼で生きる作り手と全国の食卓を笑顔で結ぶために、想いを共にする仲間たちと会社を設立しました。ECサイト 極上市場「三陸未来」の運営を中心に、リアルな販路開拓やプロモーションの実施。さらにパートナーとなる作り手(生産者、加工業者)を募り商品開発、技術開発を共に行い切磋琢磨できる環境を作ります。