12. 塩蔵ワカメと乾燥ワカメ(藤田 純一)

―基本的なことかもしれませんが、ワカメを塩漬けする理由って何でしょうか?


藤田:日持ちさせるためですよ。

塩分を足すことによってワカメの中の水分が抜けやすくなるんです。

塩分濃度が濃いものは、細菌が繁殖しないので、悪くならない。

ワカメを一昼夜漬け込んだ後、最終的に工場で、ワカメの葉っぱの部分と、茎わかめの部分に分けて、16tぐらいの圧力を加えてワカメの中から水分を抜くんです。

そうすると、ワカメの中の水分量が無くなるので、冷凍庫の中で普通だと3年~5年ぐらいもつようになるんです。


―3年~5年ももつんですか!


藤田:脱水をちゃんとして、空気に触れないように保管すればね。



―さんりくみらいさんのワカメは、生の物と塩蔵ワカメにこだわっていると思うのですが、乾燥ワカメと比べて、やっぱりおいしさが違うのでしょうか?


藤田:やっぱり、風味や触感は、塩蔵ワカメの方が、遥かに強いです。

最近、乾燥ワカメを扱う業者が増えてきている理由は、乾燥ワカメは、常温保存ができるのと、塩分量の計算が簡単だからなんです。

何グラム使えば何グラムに増えて、塩分濃度がこのぐらいですよ、と計算ができるのが乾燥ワカメの利点なんです。

塩蔵ワカメというのは、塩がかなりきついので、どうしても水戻しをするじゃないですか。

5分水戻ししたのと10分水戻ししたのでは、塩分濃度が全然違ってくるので、難しい。

今、学校給食や高齢者の施設などで、栄養計算するのに扱い易いという理由で、乾燥ワカメの需要が増えているんですよね。

でも、食べてやっぱりうまいのは塩蔵だと思います。


―塩蔵ワカメのおすすめの、戻し時間はどれくらいでしょうか?


藤田:6分ぐらいですかね。

水で戻し過ぎると柔らかくなるので、やっぱり歯ごたえが残った方がおいしいですね。

あとは好みですね。


さんりくみらいの想い

私たち株式会社さんりくみらいは三陸・気仙沼で生きる作り手と全国の食卓を笑顔で結ぶために、想いを共にする仲間たちと会社を設立しました。ECサイト 極上市場「三陸未来」の運営を中心に、リアルな販路開拓やプロモーションの実施。さらにパートナーとなる作り手(生産者、加工業者)を募り商品開発、技術開発を共に行い切磋琢磨できる環境を作ります。