4.気仙沼という地域とのつながり(藤田 純一)

藤田:すごくありがたいな、と思っているのは、経営未来塾で出会ったコンサルタント関係の人たちに、いまだに気にかけてもらったり、繋がりを作ってもらったりしていることです。


私たちは経営未来塾の5期生だったんですが、

1期から5期までの集まりもあるんです。

1期から5期まで合わせて80人ほどいるので、

その異業種間連携が、気仙沼はほかの地域に比べて進んでいます。


―どのような業種の方たちがいらっしゃるのですか?


藤田:民宿、旅館業、美容室、飲食店、建築関係、自動車や、色々な人達がいるので、イベントなどの時に魚が必要になれば、「さんりくみらいを使うか」という話になります。

私たちも、タクシーを使う時は塾生のタクシー会社に頼んだり、飲みに行くときは塾生の店にいったり、というような相互利用があります。

地域の企業を皆で使おう、という流れがありますね。


―震災前までは、そのようなつながりはあまり無かったのでしょうか。


ほとんどありませんでした。

水産業でいうと、震災前は、皆、お互いがライバルというか、敵のような感じでした。

同じ業種で連携するということ自体がありえなかったです。

漁師同士はライバルだし、漁師と水産加工業者は、出会うこと自体がほぼ無いんです。

別の世界の住人のような。

漁師は市場に出すだけ。

買い付ける人たちがどこの人か、くらいは知っていましたが、誰がその会社を運営していたり、どういう商品を作っているのか、全然わからなかったんです。


―漁師は、魚を採って、市場に卸して、終わりだったんですね。

分業がはっきりしていたという感じですね。


藤田:そうです。

あとは、漁協を通して、一括して販売してもらうという形がありますね。

私自体が、今こうやって、いろんな取り組みに関わっているから、全体の流れがわかるんですが、一般の漁師たちは、おそらく8、9割は、いまだに、市場に出すだけ、という形だと思います。

さんりくみらいの想い

私たち株式会社さんりくみらいは三陸・気仙沼で生きる作り手と全国の食卓を笑顔で結ぶために、想いを共にする仲間たちと会社を設立しました。ECサイト 極上市場「三陸未来」の運営を中心に、リアルな販路開拓やプロモーションの実施。さらにパートナーとなる作り手(生産者、加工業者)を募り商品開発、技術開発を共に行い切磋琢磨できる環境を作ります。