藤田:なぜさんりくみらいが伸びているかというと、商品自体の味がいいからだと思います。
大きい工場は、工場を稼働させるために
原料を安定供給させなければいけないという
第一課題があります。
そのためには、気仙沼の市場だけだと足りないので、海外からも輸入したりするため、冷凍と解凍を繰り返した原料を使うことになります。
もともと凍っている原料を解凍して加工して、商品になった時にもう一度冷凍する、というようなことをするんです。
そして、食べるときにもう一度解凍するんです。
冷解凍を繰り返すと、どうしても魚の味が劣化していきます。
―冷解凍を繰り返すと、なぜ味が劣化してしまうのですか?
藤田:ドリップが出てしまうからです。
臭みが出たり、繊維が崩れていってしまうんです。
それをごまかすために、味付けを濃くしたり、香辛料やカレー味をつけたり、ニンニクやショウガで香りをプラスしたり、ということがあるんです。
でも、うちの商品は、ほとんどが、気仙沼の市場に上がった魚を、その日のうちに加工するか、氷を入れて冷やしておいて、翌日加工するようにしているので、冷解凍が一回で済みます。
最近、「ワンフローズン」と呼ばれている手法です。
そういった製造方法のほうが、はるかに原料の旨みが残ります。
臭みも出ない。
そういう作り方をしているので、売り先からも食べて「おいしいね」という部分と、いろんな業種が組んでやっているという取り組み自体を評価してもらったりして、今、信用をいただいています。
―食品ロスも、少なくなりますね。
藤田:そうですね。
小さい会社なので、原料が大量にそろわなくても、商品が作れたりするんです。
市場で取り扱わなかった魚種も、サンプルで作ったりすることもできるので、規模が大きくなくても商品にできるのも強みですね。
会社の規模が大きくなればなるほど、どうしてもトンの単位にならないと販売できないというようなデメリットがあるのですが、私たちは個人にも販売するので、サンプルで作った商品をおまけで入れたり、というように使ったりもできます。
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